今年も折り返し。
1年が過ぎるのはあっという間。
気づけば6月ももう終わりです。
12ヶ月ある1年ですが、もう半分が終わろうとしています。
6月の特徴といえば、祝日がないことですね。
漫画の『どらえもん』の中でも、のび太が祝日のない6月を迎えて憂鬱になっているシーンがありました。
そんな6月ですが、祝日にすることも議論された、ある記念日があります。
それは6月10日の「時の記念日」です。
これは日本で初めて「水時計」という時計が設置された日にあたるそうです。
水時計は天智天皇の時代(671年)に置かれたといいます。
「時の記念日」は単に時計が設置されたことを知らせるのではなく、「時間を尊重」することを目的としているようです。
大安寺のご本堂には木板(もっぱん)という厚い木の板が置かれているのをご存じでしょうか。
そこにはこのような文字が書かれています。
生死事大 無常迅速
各宜覚醒 慎勿放逸
生死事大(しょうじじだい)
無常迅速(むじょうじんそく)
各(おのおの)宜(よろ)しく覚醒(かくせい)し
慎(つつし)んで放逸(ほういつ)なること勿(なか)れ
この言葉の意味を簡単に言うと、
「時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。
しっかりと今を生き、なまけてはいけない」
となるでしょうか。
「時の記念日」は「時間を尊重」することを伝える記念日ということを申しました。
時間を尊重するということは、いわゆる時間厳守だったり、期限を守ったりといったことも意味するかと思います。
仏教・禅の中で時間を大事にするということは、「生死事大 無常迅速
各宜覚醒 慎勿放逸」に表れているように、しっかりと今を生きていくということ。
残念なことに、過ぎ去った時間は帰ってきません。
未来のことを考えることも、不安や焦燥を感じたり、あるいは「まだまだ時間がある」となまけ心を醸すかもしれません。
大切なことは、今自分が生きている「この時」と向き合っていくことなのです。
7月から始まる今年の折り返しの日々、大事に生きていきたいものです。
合掌
文責:大安寺徒弟 久松彰彦
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